私の転機

佐々木 奈津美(2009年入社)

生産技術フィールド 生産技術部 包材設計グループ/工学部・ 化学システム工学科 卒

  • 1日のスケジュール
  • お仕事インタビュー
わずか1㎜のために、数ヶ月かけることもあります。

どんな仕事ですか?

私たちの会社は、多くの方に買って頂いているクノールのカップスープやマヨネーズ、それにレトルト食品を作っています。そうした商品に寄せられるお客様の声を反映させて、より良い商品にしていくのが私たちの仕事です。なかでも私が所属している包材設計グループでは、商品を包むパッケージを専門に設計・改良しています。

例えば、「カップスープを飲んだ後に小箱を折りたたんで捨てたいのに、簡単に折りたたむ事が出来ない。」そんなお客様の声に応えて作ったのが、上下にミシン目のついた小箱。以前までも上にミシン目はつけていましたが、そのミシン目を上と下、両方につける仕様に改良しました。そうすることで、これまで以上に折りたたみ易くなったと、お客様からも高い評価を頂くことが出来ました。

また、カップスープの外箱の軽量化といった事もやっています。これはお客様の声を反映させるというものではありませんでしたが、環境面とコスト低減に配慮するという観点から取り組んだプロジェクトです。それまで5㎜の厚みだった外箱を、4mmの厚みの外箱に変更しました。もちろん、厚みを薄くしながらも、外箱が潰れたりしないように、強度は保たなくてはなりません。様々な包材品質評価を実施し、充分な強度があることを証明して、4㎜の厚みの外箱の導入まで至ることが出来ました。たった1㎜のことですが、数百トンの包材の減量化と数百万というコスト低減につなげることが出来ました。

仕事の進め方…

包材設計グループの仕事は、どんな商品を作るのか、またどの商品をどう改良するかを、各部署の代表が集まって話し合うところからスタートします。新商品であれば商品コンセプトから話し合いを行いますし、改良であれば、「こんな不満があがっている」、「こうしたらもっと良くなりそう」などの意見を共有して、各商品を改良する方向性を決めていきます。その会議で改良の方向性が決まれば、その後は各部署に分かれて、改良を実現するための方法を考えていくという流れです。

会議後、包材設計グループがまず行うことは、包材メーカーとの打ち合わせです。会議で話し合った内容を元にして、コスト面やどういった改良を加えたいかを伝え、それを実現できそうな包材の選定、図面の作成などをお願いします。その後、包材メーカーから出た評価データを基に包材品質に問題がないかを確認。問題がなければ試作品を作成し、工場内でテストを行い、問題なく工場のラインで流れるか確認します。このテストで問題がない事を確認できれば、ようやく本型と呼ばれる大量生産するための型を作ることが出来ます。本型ができあがったら、再度工場でテストを実施し、包装したテスト品の品質評価を実施し、それで問題がなければ、製品として工場で生産することが出来ます。

こうしたプロジェクトが、大きいものから小さいものまで常時6~7件ほど動いています。大きいプロジェクトだと数年ほどかけて行うこともありますし、短くても半年程度はかかります。しかもその全てが、実際に商品化されるわけではありません。様々な理由から途中でプロジェクトが中止になったり、延期になったりすることもあります。それでもいつかは自分たちの努力が活かされると信じて、毎日プロジェクトに取り組んでいます。

印象に残っている仕事は…

まだ現在の部署に配属されてそんなに時間はたっていませんが、それでも自分が初めて任されたプロジェクトは一番印象に残っています。このプロジェクトはカップでしか販売していなかったある商品を大容量にして、ファミリーでも楽しめる3パック入りの商品も販売するというものでした。

商品をまとめるための一番外側のパッケージ(ガセットと呼びます)を自分が担当したのですが、初めてということもあって、商品の入れ方(縦入れにするか横入れにするか)から、袋の形状、機械で袋をとじる部分の寸法など、どうするのが一番良いのか分からずに、かなりの数の試作品を作りました。

なかでも苦労したのが、袋をとじる部分の寸法です。というのもこの商品は、そこまで大量に生産するものではなかったので、袋をとじる作業を手作業でやることが検討されていました。人が安全に作業するためには、ある程度の寸法がなければいけません。しかしその寸法が長すぎるとコストがかかる上に、見た目にも不格好になってしまいます。「作業をするのに安全で、コストを抑えて、しかも見た目のデザインもいい。」そのちょうどいい寸法を見つけるために、実際に自分で綴じる作業をしたり、部署の先輩たちに意見を聞いて協力して頂いたりと、数㎜単位で寸法を調節して何度も何度も試作をしました。

商品の見た目だけでなく、使用性、環境面、実際の製造ラインの中で問題なく動くかどうか、またコストを考えながら仕事を進めていかなければいけないのが包材設計の難しいところです。しかも自分が使いやすいからといって、他の人も使いやすいとは限りません。だからこそ色んな人に意見を聞きながら、誰にとっても使いやすいものにしていくことが大切です。

何度も試作品を作ったり、テストをしたりと目標に近づけていくので大変ですが、自分たちの努力が形として残るのでやりがいはあります。しかもお客様から「使いやすくなった」「便利になった」という反応をいただけるので、それが次の仕事へのやる気につながります。より良い包材設計に取り組むためにも、今は、包材の展示会やセミナーなどにも積極的に参加して、色んな知識を身に付けています。
また、私の所属する包材設計グループは先輩たちも話しやすい方ばかりで、分からないことがあっても聞きづらいということはありませんし、忙しそうにしている人がいるとお互いに助け合う風土があるのがいいところです。